柔らかい光に包まれた一軒家風カフェlamp(ランプ)
西池袋の住宅街の一角にあるカフェ「lamp」。 「食、絵画、音楽、雑貨」をアートとして捉えたオーナーが始めた「表現の場」。親しい友人の家に遊びに来たような。居心地の良さが感じられるお店です。

lampに込められた思い
池袋駅から西へ向かうと立教大学、美術学院があり、一種アカデミックな雰囲気が漂います。その学生たちが行き交う住宅街の一角にあるカフェ「lamp」。実際に人が住んでいた家をリノベーションして2005年3月にオープン。入口近くのカウンター席やテーブル席はカジュアルで現代的ですが、奥には上がり框や畳が残り、ほどよい生活感が感じられます。「lampということばには、“あかり・ともしび”の他に、光・火・愛・美、知識の源の象徴という意味があります」と話すのは、オーナーの入谷香里さん。黒目がちな瞳が印象的で、全身から不思議な雰囲気を醸し出している女性です。
カフェという「箱」
入谷さんは開業以前、証券会社やアパレルに勤務していたといいます。カフェを始めたきっかけについて尋ねると、「カフェは好きでしたけど、自分がやるにあたってカフェでないといけないということはなかったんです」と、入谷さん。
「学生時代から、ずっと自分で何かを表現したいと思っていました。“箱”がほしかったんです。食べること、音楽、雑貨、絵画が好きだったので、それを全部表現できるのがカフェかな、と。自分がいいと思ったものを他の人にも見て欲しかったんです」。店内に飾られている絵や雑貨の多くは入谷さんの友人、知人の手がけたもの。お客さんとして来た学生たちとのつながりでパーティなどのイベントや展覧会を行う機会も増えたそうです。
大事なのは、コーヒー1杯の価格
コーヒー1杯350円。その値段には理由があると入谷さんは話します。「自分でお店を始める前から、カフェって高くてイヤだなと思っていました。フランチャイズでチェーン展開しているお店のような価格は難しいですが、出来る限りコーヒー1杯の値段を抑えるようにしています」。
大きな会社で働いているときに比ると収入は下がったそうですが、やりがいは比べものにならない、と言います。「幸い赤字にはなっていないので、有難いと思います。お客様に『いいお店ですね』って言っていただいたり、認めていただけると本当に嬉しいですね。美術学校の生徒さんたちや知人や友達の紹介、それに偶然立ち寄っていただける人がいたり・・・。人と人とのつながりが出来るのがうれしいです。」と入谷さん。
アートは、生きる営み
フードメニューは、日替わりのごはんやうどん、ホットケーキなど。家庭的なやさしい味わいのものばかり。 スイーツのブラマンジェやパフェも好評です。時折、友人のパティシエのケーキが登場することもあるそうです。「アートもフードも、自分が良いと思うものを置いています。有難いことに、学生の方から社会人、ご年配の方まで、いろいろなお客様に来ていただいています。ビジネスライクにやるんじゃなくて、ライフワークとして長く続けていきたいですね」。ハキハキした口調で話す入谷さんは話します。「私にとって、アートとは絵画や彫刻といったものから、手芸や文芸、ひいては食べることや飲むことを含めた『生きること』です。お店の灯が小さな文化の発信地になればうれしいです」。
cafeとは、その場を楽しみ、観る空間でもあるのだ、と改めて感じられるお店です。
| 1 / 2 | 次のページへ |
| 更新日:2009.03.31 | 取材・編集:UMI |